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月別アーカイブ: 2025年12月

大住緑栄のよもやま話~第28回~

皆さんこんにちは!
株式会社大住緑栄、更新担当の中西です。

 

 

現場を強くする

 

 

安全は“コスト”ではなく利益の前提。本回はKY/TBM、ヒヤリ・ハット、熱中症・寒冷、騒音・振動、メンタル・休業、評価と表彰、シフト設計と教育までを運用の型に落とします。

 

1) 朝礼(TBM)10分の黄金パターン ⏰
1. 今日の作業(地図で示す)
2. 危険ポイント3つ(具体と対策)
3. 退避集合合図と緊急連絡網
4. 体調確認(暑熱・睡眠)
5. 役割分担(誰が何をいつまで)

 

2) KYカードとヒヤリ・ハット
• KYカードは“書くための紙”ではない。対策が工程に反映されているかを確認するチェック欄を設ける。
• ヒヤリ報告は月10件/班を目標に。量が質を生む。表彰制度(商品券・休暇)でインセンティブ。

 

3) 暑熱・寒冷・騒音・振動 ❄️
• 暑熱:WBGTを簡易計で測り、閾値超で休憩頻度UP。塩分タブレット・空冷ベストの支給。
• 寒冷:レイヤリング、防寒手袋、休憩所の風よけ。
• 騒音:イヤマフ常用。チーム無線と両立するモデルを選定。
• 振動:チェンソー・刈払機は連続使用時間上限を設定。防振手袋。

 

4) メンタルと疲労管理
• 過重作業サイン:遅刻・ぼーっとする・ミス増。早期に配置転換や作業強度調整。
• 1on1:週1回10分、リーダーが聴く。未消化の不満を溜めない。

 

5) 事故時の初動:60分の行動計画 ⛑️
• T+0〜5分:現場停止・二次災害防止・119/関係先通報。
• T+5〜15分:応急処置・搬送準備・気道/出血確認。
• T+15〜60分:現場保存・写真記録・関係機関連絡。SNS発信禁止を徹底。

 

6) シフトと教育:多能工化で強くなる
• 2in1配置(重機+チェンソーなど)で欠員に強いチームへ。
• 新入者ロードマップ:30-60-90日で達成指標(安全×技能×品質×原価)。

 

7) KPIとレビュー
• KPI:休業災害件数、ヒヤリ件数、TBM実施率、教育達成率、欠員補完率。
• 月次レビュー:事故「原因×対策×再発防止」を1枚図解。全班で共有。

 

8) 表彰と文化づくり
• 安全MVPや改善提案賞を四半期ごとに。安全が評価される文化へ。

 

大住緑栄のよもやま話~第27回~

皆さんこんにちは!
株式会社大住緑栄、更新担当の中西です。

 

 

刃先が会社を守る

 

 

チェンソーは最も身近で、最も事故率の高い機械です。刃の状態=生産性=安全性。本回はPPE、刃研ぎ、燃料、点検、伐倒手順、キックバック対策まで、現場基準を作ります。

 

1) PPE(個人防護具)と基本姿勢
• 必須:チャップス(または防護ズボン)・安全ヘルメット(遮音シールド付)・防振手袋・安全靴・ゴーグル。
• 姿勢:腰を落とし、二点支持+体幹。片手操作は禁止。退避方向と障害物を先に整える。

 

2) キックバックの理解と回避
• 原因:ガイドバー先端上部の危険域が木材に噛む。
• 対策:上方からの切り込み禁止、くさび併用、チェンブレーキ常用、逃げ代を確保。バランス軸を前足に置かない。

 

3) 伐倒計画:“切る前の9割”
1. 作業域の整理(枝払・足元整備)。
2. 狙い方向の決定(風・傾き・樹冠・周辺障害)。
3. 退避路2本の確保(45°後方へ)。
4. 受け口(角度45°、深さ樹径の1/4〜1/5)。
5. 追い口(ヒンジ幅1/10〜1/8)を水平に。くさび併用で後押し。

 

4) 刃研ぎ:角度とデプスが命 ✨
• 目立て角:一般用で25°前後(チェン仕様による)。
• デプスゲージ:0.6〜0.8mmを基準に調整。デプス深すぎ→キックバック増・振動増。浅すぎ→切れない。
• 手順:左右均等に同回数→デプス調整→バリ落とし→チェンの向きとテンション確認。

 

5) 燃料・潤滑・冷却 ️
• 燃料:2スト混合(50:1目安)。長期保管燃料は分離・劣化に注意。
• チェンオイル:枯渇は一発焼き付きの原因。使用量を燃料と同時補給で習慣化。
• 冷却:シュラウド・フィン・エアフィルタ目詰まりを毎日清掃。

 

6) 点検・整備:日次/週次/月次 ‍
• 日次:チェンテンション、バーの片減り、スプロケット摩耗、ブレーキ動作、ナット緩み。
• 週次:バー裏返し、クラッチ清掃、スターター紐チェック。
• 月次:点火プラグ、燃料フィルタ、マフラーカーボン除去。

 

7) 材に応じた切断:繊維と応力を読む
• 張力側から圧縮側へ。カッティングの順を間違えるとはさまれ事故の原因に。曲がり・反り・根返りのクセを読む。

 

8) 事故事例→対策
• キックバック:受け口不十分→追い口で先端が刺さる→顔面負傷。対策:受け口角度45°・深さ基準の厳守、くさび準備。
• はさまれ:張力側から切らず、バー抜けなくなる。対策:応力読みと補助切り。

 

9) 教育と資格:OJT+動画+ドリル
• 3セット教材:5分動画×10本/現場ドリル×5/目立て実習。新入・中堅・リーダーで段階別に。

 

大住緑栄のよもやま話~第26回~

皆さんこんにちは!
株式会社大住緑栄、更新担当の中西です。

 

 

ハーベスタ/フォワーダ/プロセッサ/ヤーダの選び方 ⚙️

 

 

“どの機械を入れるか”よりも“どの組み合わせで、どの配置で、どのタクトで回すか”。本回は選定基準・稼働設計・原価・安全・保全を一体で解説します。

 

1) 代表機と得意地形
• ハーベスタ(CTL):伐倒・枝払い・測尺・玉切りを一気通貫。緩〜中傾斜、地引き中心。得意:胸高直径18〜30cmの人工林。苦手:急傾斜の長距離集材。
• フォワーダ:丸太を荷台で運搬。路網密度と路面強度が生命線。荷台容量と軸荷重のバランスが路面損傷を左右。
• プロセッサ:土場で枝払い・測尺・玉切り。ヤーダや集材機と組み合わせ、土場の処理能力=現場の上限を決める。
• スイングヤーダ/タワーヤーダ:急傾斜・谷渡り・河川沿い。設営・撤収時間を見込んだ集中的な稼働で採算化。

 

2) 機械選定の5条件 ✅
1. 傾斜×集材距離:15°/100mを境にヤーダ系を検討。
2. 径級分布×要求長:需要先の長さテーブルにヘッドを合わせる(例:3.0/3.65/4.0mの優先)。
3. 路網密度×路面強度:フォワーダは路面CBR、旋回半径、待避所の数で実力が決まる。
4. 人員構成:2名で回すのか3名で回すのか。交替要員の有無で稼働率が1.1〜1.3倍変動。
5. 運搬制約:機体の運搬幅・重量、法令、橋梁制限。“現場に入れない”は最大の損失。

 

3) タクト設計:詰まりはどこか? ⏱️
• 工程能力表:ハーベスタ(m³/h)・フォワーダ(m³/h)・土場処理(m³/h)を同一時間軸で記入。最小値=全体能力。
• WIP(仕掛かり)上限:土場の山を高さ・材長別で分け、待ち材が一定量を超えたら伐倒を止める“赤信号”を決める。

 

4) 原価:1時間原価と出来高で見る
• 1時間原価=減価償却+金利+保険+税+保守+燃料+人件費。見積りは出来高×単価ではなく(出来高×単価)−(稼働時間×1時間原価)で採算判定。
• 燃費:回転数一定+無駄な移動ゼロで▲8〜15%。材長の迷いは玉切り時間増→燃費悪化へ直結。

 

5) 安全・視界・通信
• 接近禁止帯の視覚化(フラッグ・カラーコーン)。
• 無線チャンネルのルール化(作業/搬出/緊急)。
• 死角図を朝礼で共有。重機の振り幅に立ち入らない。

 

6) メンテナンス:壊れる前に止める
• 毎日:油水・グリス・クローラ張り。
• 毎週:ヘッドローラ摩耗、センサー校正、ホース擦れ点検。
• 毎月:キャビン内フィルタ、油圧オイル分析。
• 予備品:ホース・カプラ・フィルタ・センサーを“現場ボックス”に常備。

 

7) ケース:フォワーダの“積み順革命”
• Before:径級混在で場内旋回が多く、積込1サイクル28分。
• After:ハーベスタで長さ×径級別に置場を分け、フォワーダは直線導線→1サイクル22分(▲21%)。

 

大住緑栄のよもやま話~第25回~

皆さんこんにちは!
株式会社大住緑栄、更新担当の中西です。

 

路網設計のセオリー 🛣️📐

 

 

路網は“通すこと”が目的ではなく、“壊れないこと”と“安く運べること”が目的です。初期費用が多少高くても、維持補修費と事故・停止損失を含めたライフサイクルコストで最小化を狙います。ここでは計画→設計→施工→維持管理まで、現場で使える指針を一気に整理します🧭。

 

1) 目的と指標:費用だけでなく距離と安全も 📊
• 路網密度(m/ha):集材距離を短縮し、出来高を底上げする“土台”のKPI。
• 通行等級:作業道(軽車両/小型重機)、林道(大型車両)、幹線林道(10t車)など、使う車両から逆算して断面を決める。
• 安全指標:視距・すれ違い間隔・退避ポケット間隔・法面安定度。見えない安全を図面と標識で“見える化”。

 

2) 計画:GIS×現地でルート案を作る 🗺️🛰️
• データ:地形図、航空写真、LiDAR、土壌図、地質図、保安林・水域・文化財レイヤー。
• 手順:起点/終点を決め、候補ルートを3案作成→高低差・横断地形・土量バランスで比較→現地踏査で湧水・崩壊地形・巨石の存在を確認。
• 判断基準:縦断勾配とカーブR、切盛土量、カルバート数で維持費の将来値を見積。短いが急勾配の案より、やや長くても安定の案が総合的に安いことが多い。

 

3) 設計:壊れない断面と排水を最優先 💧
• 縦断勾配:作業道で8〜12%目安、林道で6〜10%目安。長い一定勾配は避け、微妙な折れを入れて速度と排水をコントロール。
• 横断勾配(片勾配):2〜4%。水を片側へ確実に逃がす。
• 路体と路床:軟弱地はクラッシャー敷均し・転圧を丁寧に。路体が負けたら全てが負ける。
• カーブ半径:最小でも12〜15m(車種による)。見通し線を開け、ガードの設置と表示。
• 排水構造:側溝、横断溝(30〜50m毎)、カルバート口の詰まり対策に落葉止め・点検口。

 

4) 施工:工程と品質管理 🧰
• 土量バランス:切土→盛土の搬送距離を最小化する工程順序。雨期には切土を先行、盛土は乾燥日に集中的に。
• 締固め:ローラの走行回数を記録(写真+回数板)。“転圧したつもり”を無くす。
• 材料:クラッシャー、法面マット、植生土のう。雨前に仮撒きして浸食開始を遅らせる。

 

5) 維持管理:点検を“制度化”する 🔁
• 定期点検:月1回+大雨後24h以内。側溝・横断溝・法面湧水・路肩沈下をチェック。
• ドローン点検:土場〜幹線の上空写真を定点化し、崩壊の前兆を見つける。
• 台帳:補修履歴・材料・費用・写真を台帳化。次年度予算が作りやすくなる。

 

6) 環境・法令・合意形成 🏛️🌿
• 保安林・河川・砂防:許認可の想定カレンダーを作り、待ち時間を工程に織り込む。
• 地域合意:境界立会い、騒音・粉じん・通行時間帯の取り決め。住民説明は図と写真で具体的に。

 

7) 原価と補助:投資判断を言語化 💴
• 初期費用(測量・設計・施工)+維持費(年額)+停止損失(通行止め日数×出来高機会損失)で現在価値を比較。
• 補助制度の採択要件(路網密度・環境配慮・安全)が収益に直結することを社内で共有。

 

8) 作業道の標準化:写真が現場を守る 📸
• 標準断面図、待避所のサイズ、転回地の直径、ガード設置位置を標準図集に。施工後は完成写真を定点で撮って保全。

 

9) ケーススタディ:密度30→80m/haで何が変わる? 🧪
• Before:集材距離平均180m、出来高18m³/日、搬出原価7,400円/m³。
• After:集材距離平均75m、出来高26m³/日(+44%)、搬出原価6,100円/m³(▲18%)。通行止めゼロで雨天作業の代替も容易に。