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皆さんこんにちは!
株式会社大住緑栄、更新担当の中西です。
~多様化~
かつて林業は 「木材の生産=伐採と搬出」 が主役でした。しかし気候変動、人口減少、ライフスタイルの変化が進むいま、森に求められる価値は多層化し、林業そのものも大きく姿を変えつつあります。本稿では “多様化” をキーワードに、現代林業がどのようにビジネスモデル・担い手・技術・社会的役割を拡げているのかを深掘りします。
目次
領域 | 具体例 | ポイント |
---|---|---|
非木材林産物(NTFPs) | 山菜・きのこ・樹液・蜂蜜・薪炭 | 小規模でも高付加価値。ブランド化や体験商品と相性◎ |
バイオマス発電燃料 | 間伐材・林地残材チップ | 荒廃森林の整備と再エネ需要を同時に解決 |
カーボンクレジット | J-クレジット、森林吸収量取引 | 追加伐採抑制・長伐期化を経済インセンティブに転換 |
エコツーリズム | 森林セラピー、林業体験、ネイチャーガイド | サービス業と連携して地域経済の新しい柱に |
ポイント:木材価格の変動リスクを複数の収益チャネルで平準化し、森を「多面的に活かす」経営へ。
スマート林業(ICT・ドローン・GIS)
高精度レーザー(LiDAR)で立木1本単位の材積・樹種を自動解析
作業道設計を3Dシミュレーション → 路網コストと環境負荷を最適化
高性能林業機械の小型化
ハーベスタ・フォワーダのコンパクトモデル普及で、中小林家も導入可能
遠隔操作型プロセッサで危険作業を低減
バイオ・素材イノベーション
CLT、セルロースナノファイバー(CNF)、木質プラスチックが新市場を創出
“木材=建材”の枠を超え、化粧品・自動車部材・電子部品へ
ポイント:ICT・機械化は労働力不足を補い、山林の“見える化”で投資判断のスピードを上げる。
タイプ | 具体的な働き方 | 期待される効果 |
---|---|---|
兼業林家 | 週末に間伐・伐採、都市部在住者の山持ち | 荒廃森林の手入れ/所得補完 |
ベンチャー&スタートアップ | ドローンサーベイ、材積AI、森林アプリ | 産業のDX・新サービス開発 |
地域おこし協力隊 | 森林整備+観光企画+教育プログラム | 関係人口拡大・移住促進 |
グリーンジョブ研修生 | 元IT・建設技術者の転職 | 安全管理・機械操作スキルの流入 |
ポイント:多様な人材が入ることで、林業がもつ「一次・二次・三次産業融合」の強みを引き出す。
*規模の小さい山林を集約*し、共同施業団地として路網・機械をシェア → 施業コストを30%以上削減した事例も。
バイオマス発電・チップボイラーを行政/福祉施設と共同運営。熱利用で売電より高い収益を確保するモデルが増加。
林業会社がプレカット工場・建設業を内製化し、川上から川下まで一気通貫で工期短縮&高付加価値化。
気候変動対策
森林吸収源+木材利用拡大で“カーボンストック”を最大化
長伐期施業や伐採後の再造林義務化でCO₂排出を抑制
グリーンインフラ
森林整備による土砂災害・流木被害の軽減
保水機能で河川氾濫リスクを緩和し、社会コストを削減
地域福祉・教育
森林療法、木育プログラムで健康増進と感性教育
高齢者の就業・交流の場として「森の作業」が注目
木材生産だけではなく エネルギー・資源循環・観光・健康・環境保全 を包含
デジタル技術とアライアンスで 小規模でも持続可能なビジネスモデル を構築
林業×他産業 の掛け算が、地方創生と脱炭素社会のキードライバーに
21世紀の林業は、“伐る”だけではなく 「森をデザインし、多様な価値を収穫する産業」 へと変貌しています。森の可能性に挑戦するプレーヤーこそ、これからのグリーンエコノミーを牽引する存在なのです。