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皆さんこんにちは!
株式会社大住緑栄、更新担当の中西です。
目次
~森を守り、未来へつなぐために~
前回の「林業の歴史」に続いて、今回は**「林業の鉄則」**についてじっくりご紹介していきます。
林業は自然を相手にする仕事。だからこそ、安全・計画・継続性の3つの柱が非常に重要とされています。
それでは、林業の現場でプロたちが守り抜いている鉄則を見ていきましょう!
林業は、建設業や漁業と並んで最も危険な産業のひとつとされています。
チェーンソー、高所作業、伐採時の倒木、滑落事故など、少しの油断が命に関わるケースもあります。
そのため、現場では以下のような徹底した安全対策が取られています。
ヘルメット・防護服・安全靴の着用
作業開始前のKY(危険予知)ミーティング
伐倒方向の確認と退避経路の確保
無線やホイッスルでの連携体制
林業において「慣れ」は最大の敵。毎回の作業においても“基本に忠実に、安全を最優先に”が鉄則です。
木をただ切ればいい、というわけではありません。
林業の本質は「持続可能な伐採」にあります。
何年生の木をいつ伐るか(主伐)
間引き伐採(間伐)で森林の健全な成長を促す
伐ったらすぐに新たな苗木を植える(再造林)
これらを全て長期スパンで計画するのが、施業計画というもの。10年、20年、50年先を見据えて山を管理していく。それが“林業の設計図”なのです。
林業は「自然との対話」。
木を切る量が多すぎても、放置しすぎてもいけません。
間伐不足の山は、日が入らず、木がやせ細る
伐採しすぎると、土砂崩れや水害のリスクが上がる
動植物の生態系や水源保全も考慮が必要
だからこそ、**地域の地形・気候・生態系に合った“山の手入れ”**が必要不可欠。一本一本の木と向き合いながら、山全体の健康を見守るのが林業のプロの仕事です。
現代の林業では、伐った後の工程(選別・運搬・製材・販売)までを一体的に管理することが求められています。
節の少ない高品質な材を選別
乾燥・防虫処理などの工程管理
地元ブランド材(例:吉野杉、秋田スギ)の価値を維持
つまり、林業は“木を伐るだけの仕事”ではなく、「育て、見極め、届ける」一貫したプロセスが必要なんです。
林業は、1年や2年で完結する仕事ではありません。
植えた苗木が育ち、立派な材として出荷できるまでに40年〜60年かかることも珍しくありません。
つまり、今の林業は、次の世代のために未来の森を設計する仕事なのです。
若手育成と技術の継承
ICTやドローンなど新技術の活用
地域との連携・山の価値の“見える化”
こうした新しい取り組みと古くからの知恵を融合させることで、林業はさらに魅力的で誇れる産業へと進化していきます。
林業には「自然を壊す」のではなく、「自然と共に生きる」思想が息づいています。
そのために、安全・計画・環境・品質・継承の5つの鉄則が、今も昔も変わらず大切にされてきました。
木を伐る手には、未来への責任が宿っています。
私たちが今できることは、森に敬意を払いながら、その恵みを活かし、次の世代へしっかりとバトンを渡すことです。
次回もお楽しみに!